迷宮の行き止まりには宝箱がある

雑記です。創作小説はpixivに置いています。

ミステリ

反則すれすれの傑作ミステリ「黒い睡蓮」(著:ミシェル・ビュッシ)

傑作という噂を耳にしていた「黒い睡蓮」を読みました。フランスのミステリで、印象派の画家モネが睡蓮の絵を描いたことで有名な、ジヴェルニーの村が舞台です。 黒い睡蓮 (集英社文庫(海外)) [ ミシェル・ビュッシ ]価格: 1595 円楽天で詳細を見る 前半は…

スリリングで一気読み! 北欧ミステリ「魔術師の匣(上・下)」(著:レックバリ&フェキセウス)

「魔術師の匣」の著者は二人いて、書誌の紹介文によれば、一方のカミラ・レックバリ氏は「スウェーデン・ミステリーの女王」、もう一方のヘンリック・フェキセウス氏は「スウェーデン屈指のメンタリスト」なのだそうです。 そのうえで、本書の主人公は、女性…

海外にも特殊設定ミステリの佳品あり「イヴリン嬢は七回殺される」(著:スチュアート・タートン)

「イヴリン嬢は七回殺される」という書名を見て、「七回死んだ男」(著:西澤 保彦)を想起された方もいらっしゃるのでは。 そのとおり、書名から察せられるように、どちらの作品も、同じ日を七回繰り返すという特殊な状況下で進行するミステリ作品です。ど…

映画化したらクライマックスが美しいと思う「一次元の挿し木」(著:松下龍之介)

「一次元の挿し木」は、2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞で、「文庫グランプリ」を受賞した作品です。作者の方は「大賞」を獲得する気満々だったため、文庫グランプリという連絡をもらって、ちょっとガッカリしたとか、しないとか。でも、その…

タイムループ系ミステリの秀作「時空犯」(著:潮谷 験)

潮谷 験さんは、「スイッチ 悪意の実験」でヒットした作家さん。 「スイッチ 悪意の実験」は、あらすじを見たら好みに合わなくて読まなかったのですが、作家さんとしてき気になっていたので、今回「時空犯」を読んでみました。 「時空犯」というタイトルから…

いまどきのクローズドサークルは宇宙に!「星くずの殺人」(著:桃野 雑派)

「星くず」という言葉って、どことなくメルヘンチックな響きだと思いませんか。 さらに、表紙の絵には、闇に浮かぶミステリアスな美少女が一人。 それで、なんとなく、「夜空にまつわる、ちょっとロマンチックな雰囲気の、みずみずしい青春ミステリ」みたい…

そんなところに伏線があるなんて!「イデアの再臨」(著:五条紀夫)

タイトルからも表紙絵からも、いまひとつ物語の予想がつかなかった「イデアの再臨」を読みました。すごく楽しかったです! ジャンルは学園ミステリ……ってことで、いいのかな。厚みも薄くて読みやすい本なので、これから気軽に推して行こうと思います。 イデ…

「弁護側の証人」(著:小泉喜美子)読了。クリスティの「検察側の証人」を重ねつつ。

やや芝居がかっていてメロドラマ風の文章も、独特な雰囲気で、おもしろく読みました。ストーリーにも人物にも、昭和時代が色濃く反映されているミステリ小説です。 弁護側の証人 (集英社文庫(日本)) [ 小泉 喜美子 ]価格: 693 円楽天で詳細を見る 2000年代…

ユーモアセンスが合えば最高!「ワニの町へ来たスパイ」(著:ジャナ・デリオン)

ユーモアミステリの快作として、何度か書名を見かけることがあった「ワニの町へ来たスパイ」。 今まで読まなくて、ごめんなさい。「だってユーモアミステリだし」なんて、軽んじて後回しにしていて、すみませんでした。 すごく、すごーく、楽しかったです! …

丁寧かつ軽快な警察小説「それでも、警官は微笑う」(著:日明 恩)

著者の方のお名前は、「日明 恩(たちもり めぐみ)」さん。メフィスト賞を受賞した「それでも、警官は微笑う(わらう)」を読みました。 本作は、2002年に発表された作品です。読む前は、「20年以上前の警察小説って、相当古く感じてしまうのでは……」などと…

鮮やかな幕切れが素晴らしい「方舟」(著:夕木 春央)

刊行当時にミステリ好きの話題をさらった「方舟」(著:夕木 春央)を、遅ればせながら読了しました。 たしかに、これは……、素晴らしいですね! タイトルも含めて傑作だと思いました。 これから、いろんな人にお勧めしていこうと思います。 方舟 [ 夕木 春央…

軽快かつ本格的な密室ミステリ「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」(著:鴨崎暖炉)

初めて読む作家さんだなーと思いながら手に取ったのですが、大当たりでした。今まで読んだ「密室もの」のミステリの中で、一二を争うお気に入りになりました! 「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」(著:鴨崎暖炉) ユーモアのある軽い文章、たた…

気になる新作アニメ(2023年9月期)

わっ、今夜には「葬送のフリーレン」が始まってしまう! あわてて書きます。気になってるのは、このへんです。 鴨乃橋ロンの禁断推理 原作コミックは読んでないのですが、本格ミステリーだと聞いたので。ほんと? ほんとに、本当に、本格ミステリー? 楽しみ…

私の好きなミステリ10選に入って来た!「六人の嘘つきな大学生」(著:浅倉秋成)

文庫になるのをずっと待っていた「六人の噓つきな大学生」(著:浅倉秋成)を読みました。 すごい、すごい! これは確かに、単行本が出たときに話題をさらったのも当然ですね。面白かったです! 就職活動をテーマにしたミステリです。 すみずみまで、とても…

これはびっくり、「世界でいちばん透きとおった物語」(著:杉井光)

お久しぶりです。こまごま落ち着きませんが、元気です。 さて、少し前にSNSで、たくさんの人が「びっくりした」と話題にしていた、この「世界でいちばん透きとおった物語」(著:杉井光)を、どれどれと読んでみました。 ネタバレはしませんが、なるほど…

ミステリマニアに勧めたい「パラダイス・クローズド」(著:汀こるもの)

新品は手に入りにくい状態なのかな? 私は中古の文庫本を入手して読みました。 さて、ミステリが好きな人の中には、「メフィスト賞」と聞くと嬉しくなっちゃう人が結構いると思うのですが(私も!)、この「パラダイス・クローズド」もメフィスト賞を受賞し…

「贖罪の奏鳴曲」(著:中山七里)を読みました

なかなか記事を上げられずにいますが、元気です。本もぽちぽち読んでいます。今回は、中山七里さんのミステリー、「贖罪の奏鳴曲(ソナタ)」を読みました。 さて、中山七里さんの作品だと、一番有名なのは、たぶん「さよならドビュッシー」だと思うのですが…

早川書房さんが探偵を募集してるよ(2023/3/15締切)

早川書房さんが、4月刊行の海外ミステリー小説「死と奇術師」(トム・ミード/中山宥 訳)について、ゲラ(試し刷り)を読んで真相を推理する読者を募集しています! モニター応募締切は本日(2023/3/15)。40人募集しており、抽選になるそうです。 我こそ…

ミステリーの王道を行く「ストーンサークルの殺人」(著:M・W・クレイヴン)

先日、シリーズの第三作「キュレーターの殺人」が発売されたので、そろそろ読まなければと慌てて、シリーズ第一作「ストーンサークルの殺人」を読みました。 期待通りに面白くて、「連続殺人をテーマとするミステリ小説が正統に進化すると、こうなるんだ!」…

ひとつのトリックが幾多の謎を解き明かす「首無の如き祟るもの」(著:三津田信三)

「首無の如き祟るもの」は、もうタイトルからしてホラーチックな雰囲気の漂うミステリです。書名を見かけることが多かったので、そのうち読もうと思いながら、ずいぶん遅くなってしまいました。 やっと読みました。しっかりした推理小説でした。面白かったで…

謎とドラマの魅力が両立している「カインは言わなかった」(著:芦沢 央)

この作者さんの小説は初読みです。作者名の読み方は「あしざわ よう」さん。 これまで読んでいなかったのは、いわゆる「イヤミス」を書いている作者さんというイメージが強かったためです。私はあまり「イヤミス」には惹かれなくて……。 (ちなみに、「イヤミ…

ストーリーテリングが素晴らしいミステリ「償いの雪が降る」(アレン・エスケンス)

賞を3つ受賞しているというミステリ小説「償いの雪が降る」(アレン・エスケンス)を読了しました。とても良かったです。 主人公は、大学の課題で年長者の伝記を書かなければならず、介護施設を訪れて、余命僅かな殺人者にインタビューしますが、やがてその…

ミステリ「神様の裏の顔」(藤崎 翔)感想

話の構成が面白かった!横溝正史ミステリ大賞を受賞した作品とのこと。なるほどなー。 神様の裏の顔 (角川文庫) [ 藤崎 翔 ]価格: 748 円楽天で詳細を見る お話のどこか一部分だけを取り出してみると、それほど変わり映えしない、ありふれたミステリに見え…

気になるアニメ・ドラマ(2021年夏の新番組)

2021年夏のテレビ新番組をチェックしました!ミステリ、SF、ファンタジーが好きなので、以下に挙げるあたりの作品が気になっています(この他に、シリーズ物の続きなどは視聴予定です)。 気になっているアニメ(2021年・夏アニメ) ヴァニタスの手記 NIGH…

「紅蓮館の殺人」(著:阿津川辰海)感想

てんこ盛りのミステリですね! 終盤、「もう、謎解きはおなかいっぱい」な気持ちになったので、そういう「これでもか」なミステリが好きな人にはおすすめできるし、苦手な人にはおすすめしません。あと、殺害方法が残酷なので、読む人によっては「うっ」とな…

「オリンピックの身代金」(奥田 英朗)感想

東京オリンピック2020の開催が危ぶまれている今日この頃、ふと、まだ読んでいない「オリンピックの身代金」を手に取る気持ちになりました。 オリンピックにまつわるミステリ小説であることは題名からわかるけど、どういうお話なのかしら、と。 読んでみると…

SFミステリ「統計外事態」(著:芝村 裕吏)感想

芝村裕吏(しばむらゆうり)さんの小説は初読みでしたが、面白かったです。近未来SF小説で、ミステリのドキドキ感もあり。お気に入り度Aランク。 概要をまとめると…… 様々な問題を統計で解決できるようになった近未来。統計を扱う仕事をしている主人公は…

遅ればせながら「カササギ殺人事件(上・下)」読了

読みました。お気に入り度はAランク。ネタバレしないように書くつもりではありますが、何をネタバレと思うかは個人差が大きいので、心配な方は読まずに引き返してくださいね。本当に。 * * * * * と、いうわけで、賞を7つ取ったことで有名な、ベスト…

「ラメルノエリキサ」(渡辺優)読了

「ラメルノエリキサ」を読みました。面白かったので、感想を書いておきます。ラノベ系のミステリで、薄い文庫本なので、さっくり読めます。 ラメルノエリキサ (集英社文庫(日本)) [ 渡辺 優 ]価格: 506 円楽天で詳細を見る 読了後、まず思ったのは、「この…

ミステリ小説を追加で10冊選びました

先日、名刺代わりの小説10選(ミステリ編)の記事を書きました ↓ snow-moon.hatenablog.jp このときに、ミステリならあと10冊くらい書き留めておきたいと思ったのを、しばらく放置していましたが、今日はそれを。 11 獄門島/横溝正史 金田一耕助のシ…