迷宮の行き止まりには宝箱がある

雑記です。創作小説はpixivに置いています。

「シ」や「チ」がうまく言えないのは、ソクオンカコウオンかも(側音化構音)

f:id:ariadne_maze:20210830072203p:plain

「シ」や「チ」がうまく言えない「側音化構音」

 アイウエオ五十音の、イ段の発音が少し苦手です。「シ」とか「チ」とかが、きれいに発音できません。まあでも、日常会話であまり困らないのと、録音して聞かないと本人には分からないのとで、普段はほとんど意識することがありません。

 ただ、これに名前があることを知っています。最初にその名前を聞いたのは、子どもの頃、学校からの帰り道、友達が教えてくれたときでした。
「あのね、チがうまく言えないのはね、ソクオンカコウオンって言ってね、専門の先生に付いてトレーニングすると直るんだよ」
「ソクオン……?」
 その難しい言葉をすぐに覚えられず、家に帰った頃には忘れてしまっていました。これが大人同士の会話だったら、「どういう字?」と聞いて、漢字を記憶の補助に出来ただろうと思うのですが。

 でも、この「ソクオン」という部分だけは記憶の中に残りました。大人になってから、「そういえば」と思い出して、「ソクオン」「発音」などで検索してみたらヒットしました。

 そういうわけで、正式名称は「側音化構音」と言います。「ソクオンカコウオン」と読みます

「なにか違う」音になる原因

 私たちは普段、特定の音を発音するとき、どこから息が出ているかなんて、気にしていません。
 でも一般的には、イ段の発音をするときには、口の正面から息が出るように発音します。これに対して、「シ」とか「チ」とかがうまく言えない人は、口の正面でなく、横のほうから息が出るような発音をしています。それで「側音化」という字になるわけです。

 初めて、イ段の「発音方法の違い」について知ったとき、私は、「えっ、ほかの人たちは、シとかチとかを発音するとき、口の正面から息が出てるの? 横じゃないの? ほんとに?」となりました。そうだったのか!

 それまでは、「人と同じように発音しても、違うふうに聞こえてしまう」のかと思っていたのですが、「そうか、発音方法が違うから、違う音になるのか。よく考えてみれば、そうだよねえ!」と、目からウロコが落ちる思いでした。

直し方

 発音方法が違うというのが原因ですから、直したい場合には、正しい発音のトレーニングをすることになります。大人になってからだと矯正に時間がかかるので、直すのなら子どものうちのほうが楽みたいです。「言語療法士」の先生にお願いすることになるようです。

 発音に関することを文章で説明する/説明されるのは難しいのですが、「こういう練習をして直す」というのをいくつか見ると、なんとなく「こうかな?」と分かることもあります。

matisse.nise.go.jp

 なお、ネットには、「自力で直した」人の記録もいくつかありますが、トレーニング方法に癖があるように感じることもあるので、最初は、第三者的な立場から「一般的にはこうします」と書かれた記述から読むほうが、偏らなくて良さそうに思います。

まとめ

 これを今日書いてみることにしたのは、「イ段の発音が人と違うのは、専門のトレーニングによって直るんだよ」ということを、知らない人も多いのではと思ったからです。

 日常生活に不便がないなら、直さなくてもいいんですよ! けど、たとえば、若い方がアナウンサーになりたかったり、朗読会をしたかったりするときに、発音を直したいと考えることは十分ありうるので、もし悩んでいる人が身近にいたら、直す方法はあるんだよと、教えてあげてください。