迷宮の行き止まりには宝箱がある

雑記です。創作小説はpixivに置いています。

「翻訳できない世界のことば」と「誰も知らない世界のことわざ」

 はてなの前に使っていたブログで、「翻訳できない世界のことば」という本をご紹介したことがあります。
 この本によると、たとえば日本語には「木漏れ日」という言葉がありますが、外国語に翻訳しようとすると1語では表せないそうなのです。「木々の葉のすきまから射す日の光」のように、意味をフレーズとして訳すことになります。

 同じように、外国語でも、たとえばイヌイット語には、「誰かが来ているのではないかと期待して、何度も何度も外に出て見てみること」を表す1語があるのだとか。また、カリブ系スペイン語には、「シャツの裾を、絶対ズボンの中に入れようとしない男の人」を表す1語があるそうです。へえ、面白ーい。

 そういう言葉を世界中から集めて、イラスト付きで紹介した本でした。時々、「これは日本語でも一語で言えそう」と思う言葉もありつつ、それぞれの国の人の文化や暮らしぶりが伺えて、楽しく興味深い本でした。

 さて、そしてですね。同じ出版社・同じ著者の方の本に、「誰も知らない世界のことわざ」という本も出ているのですが、うっかり長いこと気づかずにいました。頭の中で2冊を混同し、もう読んだ本だと思い込んでいたのです。

 最近になって、別の本だと気が付いて、手に取ってみました。中を読んでみると、書名に少し違和感があり、「誰も知らない世界のことわざ」というより、「知ると楽しい世界の慣用句」のような……? それはさておき、紹介されている言葉の数々は、先の本と同じく、「へえ!」と思わせられて面白いです。

 ラトビア語の「小さなアヒルを吹き出す」というのは、「くだらないことをペラペラとしゃべっている」という意味なのだそう。スウェーデン語の「エビサンドに乗って、すべっていく」というのは、「働かずに安楽に暮らしている」という意味。
 エビサンドに! 乗っちゃうんだ! と、笑ってしまいます。

 そういうわけで、言葉の好きな人におすすめの本として紹介しておくことにしました。とりわけ、「辞書や辞典を読むのも、けっこう面白くて好き」という人に合っていると思います。(そういう人へのプレゼントにも良いと思います。でももう読んでいるかも。)

 時間に余裕のあるとき、好きな飲みものなど飲みながら、あれこれ思いを巡らせ、少しずつ読みたい種類の本だな、と思います。