迷宮の行き止まりには宝箱がある

雑記です。創作小説はpixivに置いています。

ミステリーの王道を行く「ストーンサークルの殺人」(著:M・W・クレイヴン)

 先日、シリーズの第三作「キュレーターの殺人」が発売されたので、そろそろ読まなければと慌てて、シリーズ第一作「ストーンサークルの殺人」を読みました。
 期待通りに面白くて、「連続殺人をテーマとするミステリ小説が正統に進化すると、こうなるんだ!」と、思いました。

 あっ、ええと、ここでいう「正統に進化」というのは、つまり、奇跡的なトリックや超自然の力を借りずに、(多少強引ではあっても)現実的なロジックによって構築されたストーリーが、現代のテクノロジーのもとに展開される、というような意味です。

 不可解な連続殺人事件。個性的な登場人物。丁寧に書き込まれたストーリー。
 主人公の過去がワケアリなので、少し警察小説っぽかったり、少しハードボイルドっぽかったりするのも、いいですね!

 一歩ずつ真相に向かって近づいていく感じが、とても良いと思いました。
 真相そのものより、真相に近づいていく過程が見どころ、とも言えそうです。
 さりげなく配置された手がかりも、あとからなるほどと思わせられました。

 一方、心配な点としては、事件がややリアルに描写され過ぎるので、残虐なのが苦手な人には辛いかもしれません。
 いえ、本格的にスプラッタなホラー小説に比べたら、「これもまた、今ふうの演出ってことだから……、フィクションだし、あまり気にしないようにして通り過ぎよう」という程度ではあります。それでも、ネットのレビューを見ると、気になってしまう人がちらほらいるようなので、心当たりのあるかたはご注意ください。

 以上、シリーズ第一作「ストーンサークルの殺人」の感想でした。
 シリーズの第2作、第3作も、ミステリ界隈での評価は高いようです。
 そのうちに読んでみようと思います。楽しみです。