迷宮の行き止まりには宝箱がある

雑記です。創作小説はpixivに置いています。

「ぼくを忘れたスパイ(上・下)」(キース・トムスン著)感想

古本で見つけて、タイトルが気になって、あらすじを確認して、購入しました。
ユーモアのあるスパイアクション小説です。掘り出し物だと思いました。お気に入り度はA-(マイナス)くらい。

主人公は、競馬で借金を作って首が回らなくなってしまった、冴えない無職の独身男性、チャーリー。借金が返せなくて、今にも川に沈められそう。
そこに、1本の電話がかかってきます。実家の父が認知症で徘徊し、保護されたので、家族が迎えに来てくださいという連絡でした。

迎えに行くと、かつての厳格な父は見る影もなく、だらしない身なりで、記憶もあやふやで、命を狙われているなどと口にします。あのねえ父さん、ずっと家電販売員だった父さんが、いったい誰に狙われるっていうんだよ。……って、知らない人に襲われた! この人たちプロの殺し屋? まさか本当に狙われてる!? ていうか、父さんの身のこなし、元・家電販売員じゃないよね!?

こうして、「ピンチのときだけ頭がハッキリして、超有能なスパイらしく事態を切り抜ける、認知症の父」と、それを支えて一緒に逃げる息子との、一難去ってまた一難、スリルとサスペンスの道行は、果たしてどうなる……!

というお話です。シビアな場面もあるんですけど、主人公チャーリーのユーモアのおかげで、全体の雰囲気としては楽しく読めます。上下巻あるので、ちょっと長いかなーとは感じましたが、たまにはこういうB級アクション映画みたいな小説もいいなと思いました。

読もうとすると、古本を買うか、図書館で探すかになると思いますが、「最近そういうの読んでないなあ」という方は、よろしければどうぞ。