旧ブログに置いていた愛読書100冊を、しばらく更新していませんでした。
もう一度、100冊選び直そうと思います。
まずはジャンルごとの点検を。本日は、ミステリを整理しています。
ミステリからは20冊くらい選ぼうと思いますが、Twitterふうに10冊選ぶとするなら、こんな感じになるかな。
宮部さんの文章は、するすると入って来るきれいな文章で、とても好きです。
小説も、好きなのがいくつもありますが、一番を選ぶなら、やっぱり「火車」です。「かしゃ」と読みます。20年余り前に書かれたミステリですが、そのテーマは現在でも古くなっていません。(とはいえ、個人情報保護のゆるかった時代の筋立て、という雰囲気は感じちゃうかなー)
「宮部さんのミステリをひとつだけ選ぶなら、火車」と言っている人を、自分のほかに二人知っています。たぶん、もっといると思います。山本周五郎賞を受賞しています。
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人に薦めるときは、「最初のほうが少し合わないかもしれないけど、主人公が日本に帰って来るところまでは読んでみてくれる?」と言っています。
舞城さんの文章の独特な疾走感は、癖になりますよね。
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読みながら、つい、「は?」とか、「おいおい」とか、「ええっ」とか言っちゃった小説です。口から出ちゃったのを覚えているので、自宅で読んでいたはず。
ある程度ミステリを読み慣れてる人のほうが、楽しく振り回されることができるのではないか、と思っています。
粗削りなところもありますが、著者の熱意というかオーラのようなものが伝わって来る力作です。
4 マリアビートル/伊坂幸太郎
以前、伊坂さんの「グラスホッパー」を読んだとき、自分にはあまり合わないように感じたので、「マリアビートル」は長らく放置していました。
が、最近になって、本好き仲間から勧められて読んでみたら、とても面白かった。登場人物が多い話はやや苦手なのですが、ぎりぎり大丈夫でした。構成が巧みです。
同じ新幹線に乗り合わせてしまった複数の殺し屋の話。と聞いて興味を引かれた方は、ぜひどうぞ。
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5 オーデュボンの祈り/伊坂幸太郎
これも伊坂さんの小説。(前回100冊選んだときは、同じジャンル内で同じ作者さんを避けるように選びましたが、今回はいったん気にしないで選んでいます。)
不思議な島が舞台で、意味があるのかないのか分かりかねる事実が積み上げられ、最後にその全てが繋がり、巻き取られて、あるべきものがあるべき場所に帰って行く。
ただ、悪役が本当に、胸が悪くなるような悪役で(現実にいそうな感じに)、その点だけ読みづらかったです。
これも、積み上げられた謎の全てが、ひとつのシンプルなロジックによって鮮やかに解けるミステリ。メイントリックに気づかなければ、素晴らしいカタルシスを味わうことができます。
(人によっては、かなり早い段階で気づいてしまうと思います。また、後年、某推理漫画でも同じトリックのエピソードが描かれたため、そちらでトリックを知った人も多いようです。)
名探偵の御手洗潔(みたらいきよし)と、ワトソン役の石岡くんの初出作品。
冒頭、古い手記にあたる部分は、少し読みづらいです。
7 スノーホワイト/森川智喜
最初は不思議な設定に戸惑いました。ミステリ小説の中に、知りたいことを何でも映してくれる「魔法の鏡」が出て来たら、「???」となりませんか? それでミステリが成立するの? どうやって?
でも、まるで「練習問題」→「基本問題」→「応用問題」のように、読者を導きながら進化していく謎解きに、ぐぐっと引き込まれました。お話の進行につれて、どんどん面白くなるんです。
不思議な設定のミステリが好きな方におすすめします。
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クリスティは「オリエント急行の殺人」も「アクロイド殺し」も名作だと思います。
いずれも大仕掛けなトリックが有名なので、うっかりネタバレを知ってしまう前に読めるかどうかが一番の重要ポイントなのでは。
そういうわけで、ミステリを読み始めたばかりの人にも、どんどんお勧めしています。子供たちに読みやすい版もあるようですね。
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9 容疑者Xの献身/東野圭吾
トリックに驚きました。まだそんなトリックが残っていたのか、と。
あとから思えば、途中で気づいても良さそうなものなのに、気づけませんでした。心理的な盲点になっていた、ということでしょうか。
東野さんの小説は、私には合う合わないがありますが、この作品や、他には「プラチナデータ」なども好きです。
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「二銭銅貨」は短編ですが、暗号ものの傑作だと思っています。本だと「江戸川乱歩傑作選」所収。
暗号ものでは、これと、あと、エドガー・アラン・ポーの「黄金虫」も好きです。
10選だとここまでになりますね。
ミステリはよく読むジャンルなので、好きな本を100冊選ぶならもう10冊くらいミステリを入れていいはず。近々まとめます~。
2021/1/30 追記:まとめました♪